身体をコントロールする二つの働き
人間には身体の働きをコントロールする「自律神経」という神経があり、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という二つの神経に分類され、この二つの神経は拮抗するかたちで働き、身体の各機能のリズムをコントロールしています。
交感神経が優位の状態は → 活動 緊張モード 副交感神経が優位の状態は → 休息 リラックスモード |
–自律神経の働きによる身体の各場所のリズム—
交感神経が優位になると | 副交感神経が優位になると | |
気持ちの状態 | 興奮 | リラックス |
心臓のリズム | 心拍数があがりドキドキする | 心拍数がさがる |
骨格筋 | 緊張 | 弛緩 |
血流 | 大きな筋肉に集中 | 内臓や末梢(手足)に集中 |
胃腸の働き | 抑制 | 促進 |
呼吸 | 早くなる | ゆっくりになる |
お通じ | 便秘気味 | 下痢気味 |
唾液 | 少なくなる | 多くなる |
「交感神経が働いている時」
起きた時から日中は交感神経が優位な時間が長い。
「仕事をしている時」「気持ちが高ぶっている時」「運動をしている時」
など身体が頑張っている時に優位性が増していきます。
「副交感神経が働いている時」
夕食を終え就寝までに活発になり、睡眠時がピークになるのが理想的。
「睡眠時」「食事中」「のんびりとしている時(入浴時など)」
身体がリラックスモードになると優位になります。
この「行動」と「休息」のリズムに応じて自律神経は働いているのですが、下記のような生活は自律神経のリズムを狂わせてしまいます。
・日中に「頭をOFF」ということをしていない(昼休みちゃんと取れていますか?昼食時にながら仕事していませんか?)
・帰りが遅くて食事を取ってすぐに寝ている(食べてすぐ寝るのは良い睡眠が取れなく、内臓に負担を掛けます。就寝の2時間前までに食事はすませましょう)
・運動不足かも知れない(脳ばかり使い体を使わない人が増えています。疲れていない体は良い休息ができません。通勤の際に「気持ち良く歩く」ことでも効果があります)
人間の身体には「自己治癒力」というものがあり、その治癒力は「副交感神経」が優位な時にその力を発揮します。
その為自律神経に乱れを感じていても、自分で整える方法があります。
整える方法で1番手っ取り早く効果性があるのが「呼吸法」
他にも、「ヨガ」「太極拳」などを行う事をお勧めします。(ホットヨガはヨガ本来の目的の「呼吸」がしにくいので、お勧めしません)
そしてここでは自律神経を整える「呼吸法」ご紹介させていただきます。
簡単呼吸法
1.片鼻呼吸法
①左鼻を抑え、右鼻で「吸って、吐いて」
②右鼻を抑え、左鼻で「吸って、吐いて」
これをリズミカルに10往復
2.肩鼻呼吸法2
①左鼻を抑えて、右鼻で吸います
②右鼻に抑え変えて、左鼻で吐きます
③右鼻を抑えたまま、左鼻で吸います
④左鼻に抑え変えて、右鼻で吐きます
①に戻ります。
これもリズミカルに、10往復
慣れるまでは、ゆっくりと確かめながら行ってください
3.腹式呼吸法
お腹を凹ますと同時に鼻から息を吐きます。
凹ませて吐いた後は自然と息を吸っているので
「凹ませて吐く」ということに専念してください。
これを30回、慣れたら50回、更に慣れたら100回行いましょう。
4.肩鼻呼吸法.3
2の「肩鼻呼吸法.2」を「吸う時は5秒、吐く時は10秒」行います。
①右鼻から5秒かけて息を吸い、左鼻から10秒かけて吐く
②左鼻から5秒かけて息を吸い、右鼻から10秒かけて吐く
③右鼻から5秒かけて息を吸い、左鼻から10秒かけて吐く
④左鼻から5秒かけて息を吸い、右鼻から10秒けてて吐く
①〜④までを1往復として5往復します。
慣れてきたら「7秒かけて息を吸い、14秒かけて吐く」と秒数を長くするようにしてみてください。
上記の呼吸法が終わったら大の字に寝ましょう。
そして体の重みを感じ、体が床にピッタリと付いていることを味わってみてください。
体を重みを感じられるようになると普段でも「力を抜く」ということがやりやすくまります。
是非やってみてください。