体幹は安定した方が良いですよね。

整体は「姿勢を整えるところ」と思っている方が多いですが、当院では「体幹の安定とインナーが働くこと」を目的として施術をしています。

「体幹とインナーを改善していくと姿勢は自ずと楽な姿勢に戻る」

と思っているからです。

 

では、どうして体幹やインナーマッスルが使いにくくなっているのだと思いますか?

今回は「原因と対処法」そして「整体で出来ること」も書いておきたいと思います。

 

 

インナーの働きが戻れば
本来の「自分姿勢」に戻る

姿勢は「形」

体幹とインナーは「働き」

「働き」が動き出せば歪みは取れて、その人なりの自然な「姿勢」に戻る。と思っています。

 

「肩こりは姿勢が悪いからです。肩甲骨を寄せて良い姿勢でいてください」

と言われた経験がある方もいるかと思います。

しかし「肩甲骨を寄せて」といった状態は肩甲骨の筋肉を集中的に緊張させることになり、体にとって良い姿勢とはいえません。

「姿勢()」を重視していると「胸を張る」「お腹を引っ込める」「足をピンと伸ばす」など、部分的に筋肉を緊張させて「見た目的に良い姿勢」を意識してしまうのは、体にとって不自然。

良い姿勢とは「全身の筋肉が最小限の力で均等に使われている状態」です。

 

人間は基本的に頑張りたい動物。なので無理をして「良い姿勢を取る」ことは精神的にはしっくりします。

しかし肉体的には疲れやすい姿勢です。(日本人は「気をつけ!」の文化が根付いていて、それが良い姿勢だと思っている)

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(左)胸を張って膝を伸ばし上半身で引っ張り上げて立っている。(形を重視)

(右)肩の力みがなく上半身は下半身に乗って立っている。(働きを重視)

 

体幹が不安定になる原因
(
体幹と手足の歪みの関係)

子供は全身を使って動いていますよね。

しかし年齢を重ねるうちに「省エネモード」で生活をするようになります。

「体より頭(考えること)を使う機会が増えている」

「背骨は動かさず手や足を部分的に動かす」

という「省エネモード」で生活をするようになります。

 

「スマホやパソコンは指先だけ」

「アスファルトを歩くのには太ももの前側の筋肉だけで充分歩ける」

「情報過多で頭はいつも働かせている」

これでは体の使っている部分と使っていない部分の差が広がるばかりで、体幹は固まりインナーは動きにくくなるばかりです。

 

 

インナーマッスルが使えない原因
(
インナーマッスルと自律神経の関係)

インナーマッスルは「姿勢を保持」「動作時に体がぶれないようにサポート」する「体の深い部分にある小さな筋肉」で

インナーマッスル=副交感神経が優位な時働きやすい

アウターマッスル=交感神経が優位な時に働きやすい

と、思ってください。

 

その為「意識的に動かそう」と思ってもできない方は「無意識に体が緊張していてアウターが反応してしまう」という場合があるので

息を吐き、手と足の指先を脱力しなから動作をしてみてください。

※アスリートが最大限の力を出す時に声が出るのは、息を吐いて瞬間的に体の力を抜いている。

 

「リラックスして(副交感神経を優位な状態)」で負荷を掛けてトレーニングするとインナーマッスルが鍛えられます。

 

 

手足の歪み改善方法

「胴体はボックス」という四角形のイメージして、手足の指を脱力して歩く」

ウォーキング時に「胴体ボックス」イメージをして歩く改善方法です。

 

その時の胴体は「縦のライン3つ(赤線)を垂直に横のライン1つ(青線)を水平に保って歩きます」(後側も線が通っている、と思ってください)

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30分以上歩いていると手足頭の緊張が取れて体にとって自然な軌道になるので、効果を得るためには30分以上ウォーキングをしましょう。

 

そして週に3回ほど3ヶ月続けることがベスト。

 

 

インナーマッスルを使っている
感覚を掴む方法

1日の終わりで「後は寝るだけで、用は何もない」というひとときに

リラクゼーション系の曲を程よい音量で流して

大の字に寝て

音楽が耳に入り、雑念が消えてきて少しだったら

音を聴きながら足をゆっくり上げてみてください。

 

「重っ」と、感じたらインナーマッスルで足を上げれています。

小さい筋肉で大きな筋肉を上げるので「重っ」と感じるのは使えている証拠です。

勢いであげるのでなく「じんわりと上げていく」感じです。

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(上)ここまで上がると大きな筋肉は働いている

(下)じんわりとこれくらいの高さになると思います

 

それをゆっくりと上げたり下げたりを繰り返して「プルプル」してきたら、トレーニング効果有りです。

 

これはコツなので、後はこの感覚を取り入れてトレーニングしてください。

 

 

歪みと自律神経の関係

「手足頭の使いすぎで、体幹を動かしていない」

「交感神経がインナーマッスルの働きを弱くする」

と書きましたが

「手足頭の使いすぎで、インナーマッスルを使いにくくなる」

「交感神経によって手足頭に緊張ができ、体幹に歪みができる」

という逆のパターンもあり

そのどちらにも関係してくるのが「自律神経の働き」です。

 

「体を整える」ということは「体の歪みを整える」と同時に「自律神経の交感神経を抑制して、副交感神経の働きを促進すること」も重要になってきます。

 

 

整体で体幹やインナーマッスルを
使いやすくする為には

例として「骨膜調整」をあげて書きますね。

人間を含めた動物は危険があると「身をかがめる(防御姿勢)」を取ります。

「防御姿勢」とは物が上から落ちてきた時や、殴られる時にとっさに身を丸めて頭を守ろうとする姿勢。

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この「防御姿勢」は「パソコンを集中して打っている時」や「ストレスがある時」など、体が緊張している時にも見た目には分からないレベルでその姿勢をつくっています。

この姿勢を「形状化」するのが「骨膜」です。

 

骨膜は骨をラッピングする膜で「骨を守る」「骨に栄養を送る」役割があり、身に危険(緊張)があれば骨膜は膜の層を厚くさせ骨を守ろうとします。

その時できた骨膜の張りムラが骨を歪んだ状態にさせ、骨膜は一度硬まると緩むことはないので、それを手技療法で緩めていくのです。

骨膜が歪めば体幹やインナーマッスルも使いにくくなるので、その歪みを解いていくことは「体の働き」とって大切なのです。

 

 

最後に

体に辛い症状があり「根本的に改善したい方」や「トレーニングしても体幹やインナーマッスルがなかなか使えない」という方はトレーニングと並行して整体を取り入れることは、良い体作りの近道だと思います。