「マウス腱鞘炎」というのはご存知ですか?

パソコン環境で起きる腱鞘炎のことで親指の付け根や指先に痛みや痺れが起きて、症状が長引くと肘の方まで痛みが広がります。

 

腱鞘炎はよくある症状ですが、重症化や再発を繰り返すと手術が必要になることもあります。

また腱鞘炎は、無意識に手や手首の痛みをかばう動きになるため、首や肩こりや頭痛を引き起こすことが少なくありません。

 

このブログでは「腱鞘炎とは」「マウス操作で炎症が起きる原因」「腱鞘炎のリスクを下げるマウスの持ち方」「腱鞘炎は肘の動きも重要」「セルフケア方法」「最後に」

という内容を書いてます。

手の痛みでお悩みの方は是非お読みください。

 

 

腱鞘炎とは

腱鞘炎は「筋肉の腱」とそれを包む「腱鞘」がズレて動き、それが炎症になった状態です。


「筋肉の腱が()」で「腱鞘は(刀の鞘(さや))」だと思ってください。

ズレた軌道で何回も刀を出し入れすると、刀と鞘の間に熱が生じますよね。その摩擦が炎症が起きるキッカケで、それが悪化すると腱鞘炎になります。

 

 

マウス操作で炎症が起きる原因

「親指」は手の中で1番力が強く「可動範囲が広い指」

「人差し指」は器用で「意思表示をする指」

「中指」は骨格の繋がりからみると親指と人差し指と同じグループになります。

腱鞘炎のリスクを上げる体のメカニズム

そしてこの3本の指と同じグループになるのが「橈骨」という骨です。

橈骨は体幹と直接繋がっておらず、隣にある「尺骨」という骨を経由して繋がっています。

体幹より指先(3本の指)との繋がりが強い橈骨は「パソコン作業(手作業)」が長くなると指先の方へ引っ張られてしまい、手首の動きを不安定にさせます。

この時に強く影響を受けるのが親指の付け根にある「舟状骨」という骨です。

舟状骨が歪むと近くを通る腱のスペースが狭く、それによって腱鞘との摩擦量が増え、炎症が起き、腱鞘炎が発症します。

※指先のこわばりや痺れなどもこの舟状骨の歪みが強く影響。

腱鞘炎の原因となる舟状骨の歪み

この骨(舟状骨)が歪みと、腱の摩擦が起きる(これは左手)

 

実際にマウスを持つ手にしてみると、こうなります。

マウス操作による手の歪み

このマウスの持ち方だと手を痛めやすいです。

※手は小さい骨や筋肉でできているので、長時間同じ動作をするとすぐに固まってしまうので、こまめな休憩が必要。

 

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「手の第二グループ」体幹との結びつきが強い「尺骨」に繋がっている「小指」と「薬指」を使うようにするとマウス腱鞘炎になるリスクは下がります。

体幹との繋がり

 

 

 

マウス腱鞘炎のリスクを下げるマウスの持ち方

休憩を踏まえ、私がお勧めするマウスの持ち方はこちらです。

マウス腱鞘炎のリスクを下げるマウスの持ち方

マウス操作には関係のない、体幹と繋がりの強い小指と薬指に「マウスを持つ」「マウスを動かす」という役割を担当してもらいましょう。(外側にある「尺骨」も意識ができればベスト)

 

 

腱鞘炎は肘の動きも重要

マウスを持つ時は、手首を内側に返してマウスを持ちますよね。

その手首だけの動きは腱鞘炎になりやすい動きなので

腱鞘炎のリスクを上げる手首の使い方

 

手首の負担を少なくするには「肘から内側に捻る」という意識も心がけてくだささい。

マウス腱鞘炎のリスクを下げる肘の動かし方

 

ちなみに、神経や血液の流れが良い肘の状態はこの状態です。

神経や血液の流れが良い肘の状態

 

マウス操作時は、肘を捻った状態になるので

神経や血液の流れが滞る肘の状態

神経や血管の通り道は狭くなり指先のむくみや痺れも起こしやすくなります。

 

 

セルフケア(マッサージとストレッチ)

マウス操作でたくさん使った後は(休憩の時は)

「親指」「人差し指」「中指」に繋がる「橈骨(とうこつ)」の骨のキワをほぐしてあげましょう。

 

押すポイント

マウス腱鞘炎のセルフケア

マウス腱鞘炎のセルフケアは橈骨を意識

 

1. 深部の筋肉を緩める

マウス腱鞘炎セルフケア前腕の深部へのアプローチ方法

筋肉は押す時よりも、引く時(圧を緩める)時を丁寧にしてあげたほうが緩みます。

「筋肉をほぐす」という意識よりもポンピングするように血管を押してあげたほうが、血流改善から筋肉が緩むので気軽にできる方法として、このやり方を提案させて頂いきました。

ポイントとしては「筋肉を感じようとせずに、機械的に押し、離すは丁寧に」です。

 

 

2.中間部の筋肉を緩める

マウス腱鞘炎セルフケア前腕の中間部へのアプローチ方法

青丸が押す間隔の目安です。

中間の角度にすると、中間の深さにある筋肉が押しやすくなります。

深部に比べ、中間部と浅部は筋肉を垂直に押しにくいので、2と3に関しては垂直に押すことを心がけてくだささい。

 

3.浅部の筋肉を緩める

マウス腱鞘炎セルフケア前腕の深部へのアプローチ方法.3

肘を伸ばすと浅部にある筋肉が押しやすくなります。

肘を伸ばしきってしまうと筋肉が張った状態になるので、圧が入りにくい状態になります。

浅部を押す時も垂直に押すこと気をつけてくださいね。

 

手首のストレッチ

腱鞘炎を防ぐストレッチ

親指を手前に引っ掛けて手首を外側に捻り、息を吐きながら、赤い部分を伸ばします。

 

 

最後に

「痛みが痺れが出ている方」「筋肉や関節が固まっていると感じている方」上記の内容を実践してもすぐに体感できないかも知れませんが、ご紹介したケア方法やその他にもネットにはご自身に合ったケア方法があると思うので、緩めることを心がけてください。

そして「こまめな休憩」「マウスの持ち方」も気をつけてあげてくださいね。

 

当院では「背骨や肩甲骨」「腕の骨」「二の腕」「手首や指の骨」など、原因になる部分を神経反応に沿って施術を行い、体幹との繋がりが強い尺骨の動きを取り戻していきます。

肘や手首の動きが回復し、上記のマウス操作もやりやすくなるので、お困りの方はご相談ください。