「肩の力みが抜けない本当の理由|姿勢とリラックスの関係」

「運動やヨガで“肩に力が入っていますね。抜いてください”って言われても、どうやって抜いたらいいかわからない」
そんな経験はありませんか?
もし思い当たる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
肩に力が入ってしまう本当の理由
動物の本能「威嚇」による防御反応
動物は危険を感じると、全身をぎゅっと固めて威嚇(いかく)します。
これは、体を大きく見せたり、守りに入ったりするための防御本能です。
そして、危険が去ると、のんびりと体をゆるめて過ごします。
これは「副交感神経が優位」なリラックスモードです。
人間は“頭”が緊張を維持しやすい
私たち人間も基本的な身体のシステムは同じですが、違いは「頭の緊張が続きやすい」ことです。
仕事・家事・人間関係・SNS…
日常の中で、脳がずっと“警戒モード”のままなのです。
そして頭の緊張が続いても、体の形(姿勢)だけが記憶されたように固まる。
これが「緊張型姿勢」であり、慢性的な肩こりの原因になっていきます。
なぜ肩だけがずっと力んでしまうのか?
「肩=頭の緊張を支える現場担当」
人間の体はとても賢く、全身を常に緊張させていたら疲れてしまいます。
そのため、動きやすくコントロールしやすい「肩」を使って、緊張を維持する戦略をとっているのです。
肩は多方向に動かせるため、「ねじり固める」ことが得意。
だからこそ、肩まわりを固めて頭の緊張を支える構造ができてしまうのです。
肩の緊張が全身に広がっていく
肩がこわばると、緊張は次第に…
- 肘
- 手首
- 股関節
- 膝
- 足首
と、関節の末端にまで波及していきます。
これが「緊張による姿勢の歪み」です。
結果として…
- 血流の悪化
- 呼吸が浅くなる
- 内臓の働きが鈍る
- 自律神経が交感神経優位に傾く
という、さまざまな不調につながっていきます。
肩の力を抜くには「お腹」がカギ
固めた姿勢=正しい姿勢ではない
肩が力む人は、姿勢の感覚にもズレがあることが多いです。
例えば、
- 胸を張る
- 太ももに力を入れる
これらは**軍隊のような「固めた姿勢」**です。
一見良さそうに見えて、実は不自然な力みが入っています。
本当の安定は「腹圧」によるもの
自然な姿勢とは、
- お腹(体幹)
- ふくらはぎ(下肢)
で体を支えている状態。
ここには「腹圧(ふくあつ)」という、体の内側からの支えが重要です。
この腹圧を担う4つの筋肉が以下です。
姿勢と呼吸を支える4つのインナーマッスル
- 横隔膜:呼吸の要。吸うと下がり、吐くと上がるドーム状の筋肉
- 腹横筋:お腹の一番奥にあるコルセットのような筋肉
- 骨盤底筋群:内臓を下から支える重要な筋肉群
- 多裂筋(たれつきん):背骨を支えるインナーマッスル
これらが協調して働くことで、自然な姿勢・深い呼吸・肩の脱力が可能になります。
力を抜くための3ステップセルフケア
「力を抜くこと」は「力を入れること」より難しい
「力を抜く」というのは、「力を入れる」ことよりもずっと難しい——。
私たちはつい、「リラックスしよう」と思っても、肩や首にぐっと力が入っていたり、気づくと全身が緊張していたりします。
実際には、「力を抜けるだけの土台(ベース)」が体にないと、リラックスは一瞬しかできません。
だからこそ、まずは「力を抜ける身体の土台づくり」が大切です。
この章でご紹介するセルフケアは、まさにそのための「力を抜くベースを整えるエクササイズ」です。
イメージとしては、
「背骨を中心とした身体感覚」から「胴体を基準とした身体感覚」へと切り替えていく。
そんな3つの体操をセットでご紹介していきます。
1.呼吸と胴体の柔軟性をつくる
息を吐く際は
背中や腰をただ丸めるのではなく、
「お腹がへこむ動きが、 背中側が押されて、全体が丸くなる」
という内側からの連動を感じてみてください。
- 吐く息に合わせて
- お腹をへこませるように
- 動きと呼吸を一致させて
無理なく行うのがコツです。
2.体幹の安定をつくる
- 肛門を軽く締めて
- お尻→腰→みぞおちへと胴体を持ち上げる
- 足裏全体を地面につけて行う
顎や膝に力を入れず、地面とのつながりを感じながら行うことが大切です。
3.肘から指先の脱力
腕をふわっと前に振り上げて、ストンと落とす。
肘から下は「手についた水を払う」ような軽い動きで。
- 肩や腕の力みを抜く
- 肘・手首のこわばりを減らす
- 脳のリラックスに繋がる
という効果があります。
最後に:正しい姿勢をもう一度見直してみよう
「胸を張っている=正しい」ではありません。
本当に大切なのは、
リラックスしているのに、安定している。
という自然な体の在り方です。
姿勢がぎこちないと感じたら、まずは緩めることから。
エクササイズがうまくできないときは、整体などで全身バランスを整えてから取り組むのもおすすめです。
焦らず、自分の体とじっくり対話しながら「肩の力を抜く」練習を始めてみてくださいね。








