呼吸と肩こりの話の前に「肺」について…

 

呼吸をしているのは「肺」ですが

 

肺自体には筋肉がなく、自らの力で「膨らむ」「縮む」といったことができません。

 

肺を実際に動かしているのは胸郭の容積の変化です。

青で囲っている部分が胸郭

 

 

胸郭の容積が変化する様子

胸郭が膨らむと胸郭内は圧力の変動が起こり、肺に空気が入ります。

 

 

逆に胸郭の容積が狭くなると、空気は押し出されて肺が縮まります。

 

 

 

 

 

胸郭を動かすのは筋肉

呼吸は意識的に「早くしたり」「ゆっくりしたり」とコントロールできますが

 

ほとんどの場合、無意識に行なっています。

 

しかし「無意識に」といっても

 

脳が「環境や体の状態に応じた呼吸」をするようにコントロールしてくれています。

 

そして、実際に胸郭を動かすのは「筋肉」です。

 

 

胸式呼吸と腹式呼吸

呼吸には大きく分けると

 

胸式呼吸腹式呼吸の2種類があり、双方は使う筋肉が違います。

 

 

 

 

 

胸式呼吸

交換神経が優位な時にする呼吸

適度な緊張感をつくり

体が行動的になります。

 

使う筋肉

首や肩、そして背中の筋肉で

呼吸をします

 

 

 

腹式呼吸

副交感神経が優位な時にする呼吸で

体がリラックスした状態になります。

 

使う筋肉

胸郭の下にある「横隔膜」と

 

肋間の間にある

「肋間筋」で呼吸をします

 

 

 

この二つの呼吸法を

 

自律神経が使い分けてくれているのですが

 

仕事が忙しかったり、ストレスや悩み事などがあると

 

「胸式呼吸(交感神経)」でいつも呼吸をするようになります。

 

 

 

 

 

肩こりが慢性化している方の呼吸

慢性的な肩凝りがある方の呼吸はズバリ「胸式呼吸」です。

 

先程の画像を見てもらえる分かると思いますが

 

胸式呼吸は凝りが発生する筋肉で呼吸をします。

 

つまり、慢性的に肩凝りがある方は

 

これらの筋肉(胸鎖乳突筋、僧帽筋、斜角筋、小胸筋)が

 

呼吸をするたびに、いつも使われているのですね。

 

 

腹式呼吸を使うコツを掴もう

慢性的な肩こり症の方は

 

少しでも長く「腹式呼吸」で過ごせるようになっていただきたいです。

 

腹式呼吸に使われる横隔膜と肋間筋

 

 

腹式呼吸は体感的には

お腹がふくらんだり、へこんだりしながら呼吸をます。

 

 

コツを掴む為には…

仰向けに寝てお腹に手を置きます。

 

息を吸った時に、お腹がふくらんでいく様子を手で感じましょう。

 

息を吐いた時に、お腹がへこんでいく様子を手で感じましょう。

 

感じれるようになったら…

4秒かけて息を吸います(お腹がふくらむ)

 

そして、4秒息を止めます

 

最後に、8秒かけて息を吐きます(お腹がへこむ)

 

これを7〜10回ほどおこなうと、腹式呼吸に切り替わります。

 

「慢性的な肩こり症」の方は

腹式呼吸の感覚を体に馴染ませていきましょう!