肩こりや腰痛で来院される方で多く見られるのが「反り腰」です。

そういった方は、姿勢を良くしようとしてあえて反り腰姿勢をつくっている傾向にあります。

また、その「姿勢」が自律神経の働きにも大きく関係してきます。

 

姿勢への考え方

反り腰姿勢というのは、「顎が前にでて、胸を前に張り、お尻を後ろに反らせ、膝が棒のようにピンと伸びた状態」です。

このような状態が「反り腰」姿勢です。

 

「きちんと正しく立とう」

「肩や腰を痛めないようにしよう」

 

という気持ちから極度な良い姿勢になってしまい、「反り腰」を作ってしまいます。

※赤丸が体を支えている部分。反り腰姿勢は胸や太ももに張りを作ってしまいます。

 

体を痛めない姿勢とは楽な姿勢でいること

楽な姿勢の状態

 

力み(筋肉)ではなく、構造(骨)で立つようにすると楽に立てます。

一見姿勢が悪く見えますが1枚目に比べると力みがないことがわかります。

 

ポイントは

膝を軽く曲げて、足裏が地面にピタッと着くことを感じてから、膝の下の関節面に乗る

ようにすることです。

 

※施術後はこの状態を自然にできるようになります。

人差し指で指している部分が膝の関節面です

 

この姿勢でいると膝下で体を支えることができるため、お腹に力が入り、太ももや胸の部分の力みが消えます。

それによって肩や腰にも負担がかからず、呼吸も楽になるのです。

 

 

反り腰と気持ちの関係

「任せて!」といって胸をポンと叩く動作のように、人間は「頑張ろう」と思うときに自然と「胸を張る」動作をします。

これは肺に酸素入れて交感神経を優位にして作業に取り掛かるという生理的な体の反応なのですが、そのまま胸の力みが消えないとその胸の力みにつられて反り腰姿勢になってしまうのです。

頑張り屋さんや責任感の強い人に多く、先ほど述べたような姿勢への考え方も手伝って「反り腰姿勢」を作ってしまっている気がします。

 

2枚の写真を横に並べると

左の写真は頑張って立っているのに対して、右は脱力して立てているのが見た目にもわかりますよね。

 

 

座り方からみる肩こりと腰痛

座面にちょこんとお尻を乗せて
内股で座る

 

背もたれに寄りかかり
背中を丸め
今にもズレ落ちそうに座る

 

PC作業による肩こりや腰痛で悩んでいる方の多くは、このように座っているかと思います。

そして、その姿勢が良くないことに気づき下の画像のような感じで座り直しますよね。

腰を反らせて
背筋をピンとさせて座る

 

こういったことが1日に数回はあるかと思いますが、ここでも問題になってくるのが「体を支える部分」です。

 

上の3枚の写真では

「太もも」「腰」「胸」「背中」「肩」「頭」といった部分に

力み(緊張)を作ってしまいます。

このような状態で長時間座っていれば、体が悲鳴をあげて痛みが出るのも当然です。

 

立ち方と同様に負担の掛からない座り方

 

「座る」ということは体に一番負担が掛かるので、あえて「負担の掛からない」座り方にしました。

 

また姿勢が悪く見えてしまうと思うのですが、構造(骨)とお腹(座る場合は腹圧がポイント)で座ると他の部分が緊張せずに済みます。

 

ポイントは立ち姿勢の応用で

足裏が地面にピタッとつく場所に足を置き

ふくらはぎの筋肉が反応する部分と

お腹に力が入るところに重心を置くこと

です。

※立ち姿勢と同様、施術後は分かりやすいです。

 

膝下とお腹で上体を支えられるようになると、多少猫背になっても血液循環が上手くできるようになるので筋肉は固くならず、背中に痛みも出ません。

 

 

お腹とふくらはぎで体を支える

胸と太ももの前の二ヶ所で支えるのは、体にとって効率的ではありません。

 

スポーツや武術などで「お腹から力を出す」

健康の話で「ふくらはぎは第2の心臓」

といった表現を見聞きしたことがあるかと思いますが、この二ヶ所は体を支える上でとても重要な場所です。

膝下が安定することで地面に体を預けられるようになり、全身が力まずに済みます。

さらに、そのことで自然お腹に力が入るのです。

お腹はリラックスしているときにこそ本来の力を発揮でき、肩や首/股関節周りなどもスムーズに動くようになります。

 

※50肩などの慢性的な症状も改善されます。

 

 

反り腰姿勢で改善すべき膝から下の関節

膝下を安定させるために考えるべきは「膝から下の状態」です。

 

膝から下の骨の図

図.1 膝下(ふくらはぎ)には
脛骨と腓骨の2本の骨があります

 

図.2 足首の部分には
距骨/踵骨/舟状骨の
3つの骨があります
(近位足根骨)

 

図.3 足首と足指の間には
内側楔状骨/中間楔状骨
外側楔状骨/立方骨
4つの骨があります
(遠位足根骨)

 

図.4 足指には5本の骨があります
第1~5中足骨から末端の骨

 

このように太ももの骨が1本なのに対して膝から下は

 

2→3→4→5

 

と骨が細かく分かれていき、細かな動作ができるようになっています。

それと共に、筋肉や靭帯も細かくなります。

ですが、反り腰姿勢の方は太ももでバランスを取っているため、膝から下の部分が上手に使えていません。

感覚も低下しているため、使えていないことを自覚できていない方も多いです。

そのため、膝から下の機能を回復させることがとても大切なのです。

 

膝の機能を高めるためには

イスから立つときに「足裏を地面にピッタリとつけて、全体重を足裏に乗せてゆっくりと立つこと」を心がけましょう。

足裏全体に重心を乗せて膝の関節面に乗っかり、ゆっくりと膝を伸ばして、背骨の下からゆっくりと体を起こし、最後に頭を起こすように立つようにしてください。

 

パッと軽快に立つよりも下半身が安定しますし、落ち着いた頭の状態でいられます。

特に、忙しいとどうしても頭から動かしがちになり、下半身の動きが適当になってしまいます。

 

最後に

体は足元、つまり「土台」が大切です。

「肩甲骨をよせる」「背筋をピンと伸ばす」など上半身で姿勢を整えるのではなく、足元に注意を向けて姿勢を整えるようにしてみてくださいね。